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 渡辺医院より毎月一回発行されている『健康新聞』から、記事の一部を紹介します。(2000.6.16更新)



『健康新聞』第406号より

 週末断食で、ダイエットしながら
 腸の健康を取り戻す


指導:医学博士 渡辺 正

●インドール、スカトロールなどの腐敗産物が減少、体脂肪も減り、内臓も休息するから元気になる。

 腸の健康を取り戻す「腸内浄化プログラム」はいくつかあるが、自宅で手軽に出来て効果の高い方法としてお薦めするのが、「週末断食」だ。週末の土曜日、一日中何も食べないで水やお茶だけで過ごす。
 これを何回か繰り返すと良い。
 すると、自然と少食になり、体脂肪が徐々に減っていく。「1日3食間食あり」で酷使されていた腸や内臓もひとときの休息を得て蘇る。
たったこれだけで、腸と健康への効果は驚くほど高い。

●週末断食の驚くべき効果

 断食の効用はダイエットにとどまらない。たとえ1日の断食でも、消化、吸収にフル回転してきた腸はもちろん、胃や肝臓、腎臓、膵臓など、過食や飲酒、ストレスなどで慢性疲労状態にある消化器などがひとときの休息を得る。更に、内臓に血液を送る心臓循環系や消化に必要な酸素を供給してきた肺なども休まる。すると、内臓の活力がよみがえってくる。腸であれば、蠕動(せんどう)運動が活発になって便通が良くなり、消化吸収も高まる。
 また、空腹時には老廃物の排泄が活発になる。断食中に口臭や汗の匂いが強くなるのは、老廃物の排泄が盛んになるからだ。腸も同じで、食べないと腸の掃除が始まる。毎日のように過剰に食べ続けていると、処理しきれない食べカスなどが腸管内に渋滞して宿便となる。これも、断食によって排泄が始まる。
 断食で腸内がどう変化するかを調べるために、腸内細菌叢の検査をカルピス基礎技術所「腸内フローララボラトリー」の協力により実施した。4日断食に挑戦した2人(本紙男性記者=42才、女性ライター=28才)の便を断食開始日、断食最終日、復食(断食明けの食事)中の3回に分けて分析してもらった。(結果は下のグラフをご覧下さい)
 その結果、断食によって、身体に有害な腐敗産物(腸内の悪玉菌が作る)が大きく減少し、「腸内細菌叢がリセットされる状態になる」と、分析を担当して頂いたカルピスの渡部恂子部長は言う。リセットというのは、復食次第で腸内細菌状態が良くも悪くもなる、という意味だ。更に注目したいのは、1日の断食でも4日断食と同様に、腐敗産物が減る傾向になることだ。断食は腸の健康を取り戻し、即効果的なダイエット効果が得られ、肌のツヤが戻り、元気も出てくる優れた「腸内浄化プログラム」だ。
 なお、断食中に緩下剤を飲んだり、腸内洗浄を組み合わせると、腸をよみがえらせる効果がより高まるだろう。実際、渡辺医院などでは、緩下剤のスイマグを断食中毎日飲み、腸洗浄も毎日行う。


◎渡辺医院の断食療法
  1. 本断食(生水と柿茶のみ)
  2. 寒天断食(寒天のみーー1日2回)
  3. 生食断食(生野菜食のみーー1日2回)
  4. りんご断食(りんご半個〜1個ーー1日2回)
・特色(他の断食施設との相違点)
  1. 生水と柿茶 計2リットル飲む
  2. スイマグ(水酸化マグネシウム)を服用して便通を促進する
  3. 六大法則の励行
  4. 大気浴療法 1日5回以上
  5. 温冷浴 1日1回
  6. 腹部味噌湿布及び洗腸 断食期間内毎日施行
  7. 胸部芥子温湿布 毎日施行
  8. 三号型健康機による治療 午前・午後2回(1回約30分)
 以上を実施するので宿便排泄の効果はすこぶる大きい。


●腸内細菌叢は老化の指標

 腸の健康度(老化度)の目安が腸内細菌叢と呼ばれる腸内細菌の分布だ。
 腸内には100種、100兆個もの細菌がいる。腸内の食べカスをある細菌が食べ、その細菌が放出する代謝産物を別の細菌が食べる‥‥といったように腸内細菌は互いに密接な関係を持つ。
 食物繊維から有機酸やビタミンなど人間に有益な成分を作る菌を善玉菌、動物性脂肪やタンパク質から有害物質を作る菌を悪玉菌と呼ぶ。悪玉菌優位に傾くと徐々に体内に毒素がたまり、慢性疲労や肌荒れ、さらには大腸ガンやリウマチなどにつながる。
 歳をとると善玉菌が減り、悪玉菌が増える。
 新生児の腸内は無菌状態だが、すぐに大腸菌などが入り込み、数日後にはビフィズス菌も住み着く。
 離乳後は安定しているが、60才位からビフィズス菌が減ってウェルシュ菌が増える。これが腸の老化だ。
 ・善玉菌…ビフィズス菌、乳酸かん菌など
 ・悪玉菌…ウェルシュ菌、大腸菌、バクテロイデス菌など




◆治験例◆

私の4日断食体験
----慢性便秘が解消し、肌もつやつやになる----

日経ヘルス ライター
小倉 若葉さん(28)

 渡辺医院に1999年11月2日入院。渡辺正博士の指導の下に4日間の寒天断食療法を行う。西式六大法則、温冷療法、大気浴療法など実行。三号型健康機による治療を併せて行い、断食期間中は腹部味噌湿布、洗腸などを併せて行った。4日断食の結果、体重は2.3kg、体脂肪1.4ポイント減、腸内細菌叢のうち、善玉菌増加傾向、悪玉菌は減少傾向になった。
 私は今年(1999年)7月号で腸洗浄などを体験したところ、頑固な便秘体質の私が一時はすっかり快便体質になったと錯覚したほど。けれど、出張などが重なると、以前ほどではないものの、やはり便秘になりやすい。
 そこで断食をして、腸をいったんリセットしたいと思った。週末断食は何度も経験したが、連続4日間の断食は初めて。空腹のつらさは覚悟していたが、それも初日の昼頃まで。2日目以降はほとんど空腹感に悩むことはなかった。
 断食中は毎日、水とビタミンCを補う柿茶を各1リットル飲む。他に口にするのは、昼・夕食時に出される、はちみつでごく薄く味付けされた丼1杯の寒天のみ。意外にも一番苦痛だったのは、この寒天だった。においにかなり敏感になっているため、海藻臭さが鼻をつく。それでも便通を良くするためにと、毎回半分は食べるようにした。断食中は毎日、緩下剤のスイマグを飲むうえ、午前中に腸洗浄を行う。寒天以外は食べていないのに、日を追ってトイレに行く回数が増え、1日三回くらい水状の便通があった。断食4日目には、なんと固形の便が出て、無理矢理食べていた寒天が腸を掃除してくれていることを実感。
 5日目からは、いよいよ復食。重湯から始めて、断食と同じ日数をかけて通常の食事に戻していく。復食後もしばらく肉類や食品添加物入りの加工食品を避けて暮らした結果、毎朝オレンジ色に近い無臭の便が1週間以上も続いた。1度肉を食べてしまってからは通常の便に戻ったが、快便状態は変わらず毎日続いている。肌はこれまでになくツヤツヤして張りがある。

〜〜〜退院後、つぎのお便りを頂きました〜〜〜

 入院中は渡辺先生はじめ、スタッフの皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。
 4日間の断食を通じて、食べ物や生活について深く考えさせられ、心身共に休養させて頂きました。おかげ様で体調も良く、元気に過ごしています。
 今後はまた仕事等でお世話になることがあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
 簡単ながらお礼まで。

 尚、『日経ヘルス』の男性スタッフ1名も4日間の断食療法を行い小倉さん同様の効果が認められた。


(グラフ1)
断食で腐敗産物が大幅に減る(4日断食2人の平均値)

4日断食をすると、腸内でアミノ酸が悪玉菌により腐敗した結果生まれるインドール、スカトール、フェノール類といった身体に有害な腐敗産物の合計量が大幅に減った。また、同じく有害なアンモニアも減った。
グラフ1

(グラフ2)
4日断食で体重は平均2.3kg減、体脂肪1.4ポイント減

4日断食、4日復食を体験した2人(男性1人、女性1人)の平均値。断食中は体重は1日約1kgペースで落ちるが、復食期になると体内の水分量が元に戻るなどで、最小値の半分あたりまでゆっくり戻る。
グラフ2

(グラフ3)
1日断食でも腐敗産物は減る傾向(1日断食1人の値)

1日断食を1回体験した後に、腸内のインドールやスカトールといった腐敗産物の合計量が半分以下に減った。ただし、アンモニアは増えた。これは、「足りなくなると、体内で産出されるためでしょう」(カルピスの渡部さん)。
グラフ3

(グラフ4)
断食で善玉菌は増加傾向、悪玉菌は減少傾向に(4日断食2人の平均値)

腸内細菌のうち、ビフィズス菌に代表される善玉菌は、4日断食や復食時に大幅に減少するが、徐々に戻るようだ。一方、大腸菌やクロストリジウムなどの悪玉菌は断食中はほぼ腹ばいで、復食時に減って来る。
グラフ4

腸内細菌叢の分析検査:
カルピス基礎技術所「腸内フローララボラトリー」


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