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 渡辺医院より毎月一回発行されている『健康新聞』から、記事の一部を紹介します。(2001.7.27更新)



『健康新聞』第414号より

寒天断食で病気を治す

大きいどんぶり1杯の寒天断食が、腸にたまった宿便の排泄を促し、高血圧や糖尿病、肝臓病、腎臓病など多くの病気を予防改善
医学博士 渡辺 正


▼毎日便通があっても、たまっていた宿便はとれない▼

 人間は、自分自身で身体の故障や異常を癒し、健康に保とうとする自然治癒力を持っています。私は、50年近く、この自然治癒力を科学的に強化して最大限に高めることで、病気の予防・治療を行い、満足出来る効果をあげてきました。
 その中で、欠かすことの出来ない療法として断食があります。断食にはさまざまな利点がありますが、最も重要な効用は、宿便を一掃し、腸を綺麗にすることです。なぜなら、腸にたまった宿便こそが万病の元だからです。
 腸の壁にへばりついてたまった古い便、宿便が大腸内で腐敗発酵を起こし、有害な化学物質を作り、血液中に吸収され、多くの病気を引き起こします。直立歩行する私達の身体は、歳をとるにつれ、内臓が下垂し、大腸、小腸も次第に弾力を失い、ひだが出来たり、ねじれたり、たるんだりしてきます。その結果、腸壁にはたくさんのシワが出来、それが憩室というポケット状のくぼみとなり、そこに便がたまるのです。ですから、便秘をしなくても、毎日食べて生活をしているだけで、宿便がたまってくるのです。宿便は、腸の柔らかいひだの中に入り込んでいるため、毎日便通があってもなかなかとれません。


▼食べ物が入ってこないと全ての臓器に活力が出る▼

 では断食をすると、宿便がたまった腸の中はどう変わるのでしょうか。
 断食によって、食べ物(栄養)の供給がストップすると、腸の粘膜の細胞が収縮します。すると、腸内に滞っていた有害物質や老廃物が押し出され、腸壁にこびりついていた宿便もはがれ落ちて排出されます。宿便が出ると、血液やリンパに広がっていた毒素や老廃物も全て流れ出し、体内が浄化されます。
 さらに断食を定期的に行っていると、身体の排泄能力が高まり、宿便がたまりにくくなってきます。静脈系の血管も収縮して血液の流れが良くなります。血液がきれいになると免疫力が高まり、喘息やアトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の改善にも効果を発揮します。
 また、食を断つことで胃腸を始め、全ての臓器に休養が与えられます。疲労し、衰えていた内臓が活力を取り戻すのです。具体的には慢性胃炎、下痢、便秘などの胃腸病から高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、肝臓病、さらにリウマチ、冷え性など、多くの病気の予防治療に繋がるのです。そして、飢餓という強烈な揺さぶりをかけられた身体は、生体の自衛反応として自律神経と内分泌系を刺激し、自然治癒力を高めていきます。
 今回ご紹介する寒天断食は、短期間断食法の中でも、とりわけ手軽で安全。それでいて確かな効果が得られるのものです。ちなみに、朝のうちに食事をするのは、単なる生活習慣に過ぎません。午前中の食事は、身体の排泄作用などの生理に反することなので、朝食を止めるだけで多くの病気が治ります。
 ですから、寒天断食も、まず、今までとっていた朝食をやめ、その代わりに寒天をとる方法から始めるとよいでしょう。何回か続けて朝の寒天断食に慣れたところで、朝食抜きで、昼と夜は寒天断食といった具合に、段階的に進めていきます。
 寒天の原料であるテングサには、海藻のすぐれた水溶性繊維が豊富に含まれています。宿便排出をよりスムーズに促します。また、寒天をどんぶり1杯食べると、おなかにたまるので、空腹を我慢しやすくなります。
 寒天断食は、1回行っただけでも、身体がすっきり軽くなり、頭が明快に、気分も爽やかになります。更に月1回、週1回などのペースで、自分の生活に合わせ続けていけば、健康維持、病気の予防改善に確かな効果が得られます。是非この機会にお試し下さい。




寒天断食の正しいやり方

▼少しづつたっぷり水分をとる▼

 寒天断食を行う場合、大事なポイントは水分をとることです。水、麦茶、緑茶などの水分を2リットル以上とってください。渡辺医院では、断食中の水分として、生水とともに、ビタミンCが豊富でカフェインゼロ、弱酸性の柿茶(R)を利用しています。
 水分のとり方にもコツがあります。一度にたくさん飲むと、尿としてすぐに排泄されてしまいます。30分で30CCを目安に、たえずチビチビと飲みます。その方が全身の細胞にくまなく吸収されます。断食が初めてという人は、1日3回寒天食をとります。
 まず、寒天をどんぶり1杯分とり、生水を少しずつ飲みます。生水は、時間に関係なく、できるだけチビチビと、たえず飲むようにします。慣れてくれば、朝の寒天はやめて、昼と夜の2食にすると、断食効果がよりアップします。
 ただし、長い期間(3日以上)断食を行う場合、またはご病気の方は、必ず正しい指導をしてくれる病院や道場で行って下さい。

〈断食前日〉
 夕食は、いつもより軽い食事にして、腹八分目にしておきます。お酒や甘いもの、刺激の強いもの、脂っこい料理などは避けて下さい。そして、水をたっぷり飲んでおきましょう。夕食時間は、できれば午後6〜7時までに。翌日の朝食抜きの寒天断食と合わせると、昼食まで更に胃腸が休養できる時間が増えます。

〈断食の朝〉
 1日分として、生水(もしくは柿茶(R))を2リットル以上とりましょう。ただ、一気に飲むと、尿としてすぐ出てしまうので、水を噛むようにしてゆっくりと飲みます。

〈断食の昼〉
 トロっとした寒天液を暖かいうちにスプーンですくって食べてもいいし、冷ましてゼリー状に固めて食べても、どちらでもお好みの形で。寒天は排便を促す効果がありますが、ここにスイマグ濃液を5〜6g加えると更に便通がつきやすくなります。

〈断食の夜〉
 昼と夜も寒天を各1杯。生水を適宜飲んでいきます。

〈断食の翌日の昼〉
 いきなり普段通りの食事をとると、胃腸に負担がかかります。食事の量は3分の2くらいにして、消化のよい回復食を行います。

◆翌日は朝食は抜き、昼食はお粥などの回復食をとります。夜は、軟飯、パン、うどん等に、白身魚、豆腐、野菜などのおかずを少量とります。

ご病気の方は危険な場合もありますので、必ず当医院にご相談の上行って下さい。


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