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 渡辺医院より毎月一回発行されている『健康新聞』から、記事の一部を紹介します。(2002.6.30更新)



『健康新聞』第431号より 〜 『代替医療でヒトはこう変わる〜草柳大蔵と23人の対話〜』(現代書林)に掲載された対談からの抜粋

〜〜〜〜治験例〜〜〜〜

人生を生きる西医学健康法は、死を忘れる医学だ


評論家 草柳 大蔵
医学博士 渡辺 正

▼革命的な医学説を唱える西医学との出会い▼

草柳大蔵氏 【草柳】 先生は北海道帝国大学医学部ご出身ですが、どういう経緯で西医学に巡り会われたのでしょうか。
【渡辺】 昭和20年に北大医学部に入ったんですが、終戦後、御茶ノ水の杏雲堂病院に研修生として入りました。その少し前に、尊敬する方から、「西勝造という健康法の大天才がいる。朝食はなしで、1日2食で良い。カロリー学説は間違っているし、生野菜だけで生きていけるという、革命的な学論を展開しているから、勉強したらどうか」と示唆を受けました。当時の医学会では、1日2200カロリーは摂らなくてはならない、動物性タンパクは何グラム摂らなければいけない、と言っている時ですから、驚きました。
 そんな時、杏雲堂の向かいの明治大学で、西先生が月に1回一般講演会を開いていました。それでお話を聞くと、あまりに革命的な理論ですから、一度ご自宅へお邪魔してお話をうかがった。それが西医学と西先生に接した最初です。この人の理論は間違いないと確信して、著書を読んだり、いろいろお話をうかがい始めたのですが、それから私は杏雲堂を辞めて、医者になる基礎をきちんと固めておこうと、昭和22年頃には北大に帰りました。
【草柳】 言葉の一番正しい意味において、西医学はラディカルに、いわゆる従来の西洋医学と違う経路を立てていると思うのです。さらに、代替医療とも、あるいはコンプリメント・メディスンとも違う。
【渡辺】 そうです。西医学は革命医学です。今のいわゆる代替医療ではなく、本当の意味の革命医学です。ですから、理解する人としない人がいます。理解する人は「これは良い」とすぐに分かる。特に科学技術系の人は理解が早いです。
【草柳】 先生は西洋医学を修めてから、西医学を採用して病院で成果を上げていらっしゃる。そのとき、ご自分の中の西洋医学を修正あるいは補足されるようなことはなかったのですか。
【渡辺】 当然ありました。現代医学の医者として患者さんに西医学を勧めて本当に大丈夫かということを確認するために、自分で生野菜食だけで生きられるかを実験してみました。
【草柳】 患者さんでなくて、ご自分で生野菜食を食べられたのですか。
【渡辺】 はい。45日間、1125グラムの生野菜を食べました。診療は一切休まず、当直も往診もしながらです。カロリー計算では1000キロカロリー未満なので痩せましたが、気力は充実していますし、体調は悪くならない。栄養問題は単なるカロリー学説ではダメだという確信を持ちました。もう一つ、私の子供で西医学を実践しました。人間の胎児の心臓には卵円孔という卵型の穴が開いています。生後、次第に閉じていきます。1時間45分の間、生まれた子供を平床に裸で寝かせておくと、皮膚呼吸が完全に行われて卵円孔が閉じます。新生児黄疽や、心臓の卵円孔開存も避けられます。肝臓・肺がすべて健康になります。私の3人の子供は、この方法でみんな丈夫に育ちました。
 その後、西医学を広めるために山形県庄内に医院を開業し、昭和32年に渡辺医院を東京に開設しています。


▼西医学の考える健康の条件▼

渡辺正氏 【草柳】 西洋医学は今、恒常性維持機能とか、人間に備わっている自然治癒力を注目するようになってきています。それと西医学の認識はどう違うのか、あるいはどう重なっているのですか。
【渡辺】 その点では同じですね。西医学はつまり自然治癒力強化法そのものなんです。西医学の発表は昭和2年ですが、その時から自然治癒力とホメオスタンスの考え方を中心としているんですね。それが“病状即療法”の考え方で、西医学では、病状とは体内に入った有害な毒素を、または体内に生じた老廃物を駆除するために、人間に備わっている自然治癒力の反応と見ます。そして、人間はそれぞれの機関が有機的に統一された存在で、「皮膚、栄養、四肢(運動)、精神」という、“健康四大原則”の講和が自然治癒力を高める、と西医学では考えているんです。
【草柳】 いわゆる「生体一者」ですね。
【渡辺】 はい。その自然治癒力の強化のなかで、西医学では血液循環を重視します。これは現代医学の常識となっている血液循環論とは全く異なります。まったく反対とすら言えます。医聖ヒポクラテスは「心臓は病に冒されない」と言っています。ところが、医学が進歩した今日、心臓病は死亡原因の2位でしょう。最大の原因は血液循環理論の間違いです。西医学では、全身の毛細血管網こそ血液循環の原動力で、心臓は血液を蓄えておくタンクと考えます。世界でそういうことを言った人間はいない。ここが西勝造の天才的なところでしょう。
【草柳】 心臓は日銀みたいなものですね。お金がたくさんあって、胃腸銀行がお金がいるとなると出す(笑)。
【渡辺】 そうですね(笑)。毛細血管が血液を引っ張る原動力は何かですが、それが物理学でいう毛細管現象なのです。高い木でも地下で吸収した栄養がてっぺんの葉まで行きますが、根元にポンプがあるわけではない。毛細管現象で栄養分を引っ張るわけです。毛細血管の一本一本には必ずグローミューというバイパスがあります。毛細血管が収縮すると、小動脈の血液はこのグローミューを通って直接小動脈に流れ込む。だから、血液循環はスムースに行われます。
【草柳】 そうですか。ところで、西医学は先に話に出た一日二食論、朝食有害説です。現代医学では朝食をしっかり食べる有用性を説いていますが、朝食有害論の根拠はどういったところにあるのでしょうか。
【渡辺】 朝食廃止は、「栄養」のなかの三本柱の一つで、朝食は食べないのがベストです。朝食有用論では、朝食を摂ると、その食事からできたブドウ糖がすぐに脳に行って脳細胞が働くと言いますが、それは違います。断食をやればよく分かりますが、食べないからブドウ糖が不足して脳が働かなくなるということはまったくありません。逆に、脳は非常に明晰になります。では何が脳を働かせるかと言うと、前から蓄えてあった栄養が脳に行くのです。断食したら二日も三日も食べ物を入れてませんが、脳にはブドウ糖が行って働いている。
【草柳】 ストックしているものを使っているわけですか。
【渡辺】 そうです。蓄えているブドウ糖を使うし、ブドウ糖がなくなれば脂肪酸も使います。タンパク質からも作ります。朝食有用論は、口から入ったらすぐに栄養になると考えていますが、そういうことにはなっていません。そして、栄養を吸収できるようにするには、腸がいつも正常な状態でなければいけない。午前中には、前日食べた栄養が血液中に溜っています。新陳代謝の結果できた老廃物も溜っている。ですから、まず午前中は食事をせずに腸の掃除をしましょう。血中の老廃物は早く尿の中に排泄しましょう。胃腸など受け入れ器官を綺麗にしておきましょう、とうことなんです。アメリカのウェーバー博士も「午前中は生理的には排泄器官の働く時間だから、朝食は摂らぬ方がいい」と言っています。

(中略)

■草柳■ 西医学というのは、今日ただ今のこと、アット・プレゼンスのところで一番良いコンディションを整えることですね。西医学を採用して、日常的に実行されている方は死の観念が遠くなるでしょうね。
■渡辺■ ええ、死後の世界を心配するよりも、生きている現在只今にベストを尽くす。それが死を迎える準備になる。そして、自分のためだけでなく、社会のために働くことができる。世の中のためになることをやりましょうということにもなります。
■草柳■ だから、死などを考えている暇などはなくなる。西医学は死を忘れる医学“忘死の医学”と言えるかも知れない。
■渡辺■ そうですね。自然に健康に生きて病気を予防する医学です。“死を忘れる医学”とはさすが草柳先生です。これからは、この言葉を使わせていただきます。



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