西式健康法で名高い渡辺医院に入院した経過について報告します。
発端は本年1月24日に上田で渡辺院長の講演を拝聴し、その後の懇親会で私の体調をお話したところ、「それは西式健康法で治りますよ」と言われ、まず2泊3日の体験入院(4月12日〜15日)をしました。
私にとっては生まれて初めての入院でした。ここで、これまで約3年間服用してきた血圧降下剤をやめてみました。
その後、血圧の異常はみられず入院の効果があったようです。そして、朝食抜きの生活を続けてみると、なんとなく体調が良くなったように感じられました。そこで、さらに進めて断食を含む療法を行おうと、今度は1週間の入院(5月13日〜19日、内2日間の断食)を致しました。
1.入院にあたってのあれこれ
(1)入院に持参するもの
院長から送られた入院に必要な物のリストに「傘」とあった。意味不明。もしかしたら病院は雨漏りがするのか。実は「脚力維持のために天候に関係なくなるべく散歩に出なさい」という方針があることを入院してから知った。
(2)病室の状況
かなりの人が入院前に病室を見学していた。病室を見て断念した人、大部屋を見て個室に切り替えた人、ベニヤ板を敷いたベッドを見てあきらめた人。一泊して逃げ出した人もいたとか。治療効果を信じなければ、入院は考えてしまうかもしれない。
(3)入院への期待
私の体は60年以上の酷使により、全身にガタがきている。忘れないように昨年の人間ドック結果を、自覚症状のある10項目のメモを持参し、入院時に院長に見て頂いた。
特に肝臓と膵臓の嚢胞はガンに転化する可能性があると医師に宣告されて(もしくは期待されて)おり、6月末に3回目の精密検査を受けることになっている。院長からは「好転を期待して治療しましょう」とのことであった。もう一つ、「体重を増やしたい」という希望は、笑われたような気がしている。
2.入院中の治療法
(1)薬・点滴なし
薬を服用すること点滴をすることもなく、朝5時から夜9時までひたすら、西式療法の繰り返し。起床して、裸療法と体操を1日5回。
診察、機械治療2回、温冷浴、回診、浣腸、湿布など結構忙しい。
当然朝食はなし。
(2)注文の多い料理店
湿布は、芥子湿布、味噌湿布という現代病院らしからぬ方法である。
面会に来た娘が「湿布薬が調味料だなんて、これで塩と胡椒が出てきたら、注文の多い料理店ね」と言った。これを看護婦の一人に伝えたら「こんな痩せた体じゃおいしくなさそうね」と私のあばら骨の浮いた胸を見ながら正直な感想を述べてくれた。
(3)中庸
硬い寝台と硬い枕は共に木である。
痛くて眠れない。体操も結構きつい。これらを訴えると、院長からは「無理しないで、できる範囲でいいんです」とのことであった。
医院の待合室に、西式健康法の元祖、西勝造氏の「中庸」という書が掛けてあった。院長が外来患者に「たとえば、交換神経と副交感神経のどちらが大切というのではなく、両方のバランスをとることが西式の精神です」と説明されていた。
居合わせた私は「何事もほどほどでいいんですと解釈していました」と言ってあきれられた。
(4)断食
断食中の空腹感はあまりなかった。
ただし、断食2日目の朝は全身の力が抜けた。食事代わりに出される熱い寒天を食べると一層食事をしていないという実感がわいた。3日を過ぎると楽になるということであった。なお1週間の入院で体重が2.6kg減った。張っていた腹はペタンコになった。
◇‥‥‥次回更新につづく‥‥‥◇