渡辺医院
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毛管運動シリーズ-1
 雑誌『私と健康』で掲載された“毛管運動”特集をご紹介していきます。(2000.7.18更新)



 心筋梗塞で倒れた私が薬を使わずに健康を取り戻したのは、生活法を変え、毎日“毛管運動”を続けたおかげです。
東京都
萩原久江
(61才・主婦)

◇運動好きだった私がまさかの心臓発作

 心臓だけは誰よりも丈夫だと思っていた私が、心筋梗塞で倒れたのは3年前。58才の時でした。
 若い時から運動が大好きで、学生時代はテニス、バトミントンに熱中、結婚してからも何かしら体を動かしていました。実際、発作を起こす前まで、ジョギングや近郊の山歩きをやっていて、ストレッチとジャズダンスは10年も続けていたのです。
 市の健康診断でも、55才の時に血圧が148〜95ミリがでたくらいで、後はまったく異常なしが続いていました。ただ、思い当たることは、発作が起きる1ヵ月前から、背中の痛みがあったことです。背中の左側、肩甲骨の横がときどき痛み、肩から左腕がだるくなったり痛んだりしていました。でも私は、五十肩か腱鞘炎だろうと思って、気にもしていなかったんです。痛みも何度か深呼吸すると、いつも自然に治っていました。
 ところが、忘れもしない1月21日の明け方。左肩と腕の痛みで目が覚めました。深呼吸で痛みはおさまりましたが、10分もしないうちにひどく息苦しくなってきたのです。驚いた主人が救急車を呼んでくれましたが、私はまだその時も心臓とは思っていませんでした。
 救急病院につくと、医者が看護婦さんに「ニトロ、ニトロ」と叫ぶではありませんか。あとで聞いたことですが、私の心臓はもう1回発作が起きたらだめだったそうです。
 それにしても、前日まで元気一杯スポーツを楽しんでいた私が、まさか心臓発作とは。自分でもまったく信じられませんでした。


◇生活法を変え健康を取り戻した

 “晴天の霹靂”だったとはいえ、その後は順調に回復し、2ヵ月で退院しました。そしてすぐ渡辺医院を訪ねました。病院からいろいろ出された薬を飲まないで、元の健康を取り戻したいと思ったのです。というのは、主人が昔から西式健康法をやっていて、私も薬害の恐ろしさをよく聞かされていたからです。
 渡辺先生の診察を受け、食事を含めた生活法、体操を指導していただきました。
 それからは毎日、午前と午後、30〜40分間、体操を実行するようになりました。特に“毛管運動”は、血液循環がよくなるせいか足がス−ッと軽くなります。私は、「疲れたな」というときにも毛管運動をやります。ほんの数分やっただけでもてきめんに楽になります。
 体操のほか、生野菜や柿茶をたっぷりとり、肉は控えて極力薄味にするよう心掛けています。
 おかげさまで、現在はほぼ以前通りの健康体です。ほぼというのは、体操をまだ再開していないからです。もうしばらく様子を見てから始めるつもりで、ふだんせっせと歩くようにしています。
 検査の数値も心電図、レントゲン、血液検査、血圧と全て正常で安定しています。再発防止と健康維持のために、これからも今の生活法を続けていきたいと思っています。


〜渡辺正先生のひとことアドバイス〜
 心臓を養っている冠状動脈にシュウ酸石灰、コレステロールがたまって血管が詰まると、心筋梗塞がおこります。
 生水、生野菜で洗い流し、毛管運動で血流をよくしてやれば、動脈の通りがよくなり、血液がスムーズに流れます。血管の弾力性が回復するので、再発の心配も無用です。


(写真) 萩原久江さん(右)と
御主人




毛細血管の7割が集まっている手足を微振動させる「毛管運動」が全身の血液循環を活性化し、心臓や脳の機能を高める。
渡辺医院院長・医学博士
渡辺正

◇毛細血管網が全身の血液循環を促進

 昔からよく「病気は血のめぐりが悪いとおこる」といわれます。確かに、血液循環が悪いと、体のすみずみまで酸素や栄養が行き渡らず、老廃物の交換、新陳代謝がうまくいきません。
 そしてそれは、肝臓、腎臓、胃腸などの内蔵、及び脳、心臓、血管系統の機能低下につながっていきます。
 いいかえれば、全身の血液循環がよいということは、健康な体づくりへの出発点でもあるわけです。
 西式健康法(約70年前に、西勝造氏が確立した健康法)では、そうした血液循環の原動力は、体の末端の毛細血管網にあるとしています。
 毛細血管は、動脈系、静脈系の血管を結び、網の目のように全身に張り巡らされています。私たちの体内には、およそ51億本もの毛細血管があり、全身の60兆の細胞に栄養を送っています。
 その毛細血管の7割、約35億本が手足に集中しているのです。したがって、血液循環をよくするには、手足の筋肉にまとわりついている無数の毛細血管の流れを良くしてやればいいわけです。


◇毛細血管にあるバイパスと共同作業を

 毛管運動の最大の効果もそこにあります。 両手両足を上にあげて微振動させると毛細血管の機能が高まり血液循環が活発化するのです。
 ところで、毛管運動を始めとき「こんな単純な動きだけで、全身の血液循環がよくなるのだろうか」と疑問に思うかもしれません。しかし、次のような毛細血管の巧妙な仕組みを知れば、納得できることでしょう。小動脈と小静脈を結ぶ毛細血管には、グロ−ミュ−(動静脈吻合)というバイパスがついています。これは毛細血管1本につき必ず1本ついています。成人病の方は、グロ−ミュ−に障害があります。
 毛管運動を行うと、毛細血管の周りの細胞が刺激され、毛細血管が収縮し、血液が小静脈に流れ込みます。小動脈の血液はグロ−ミュ−を通って直接小静脈に流れ込むのです。
 血液は、小動脈→毛細血管→小静脈の循環だけでなく、毛細血管以外にグロ−ミュ−を通っても循環するわけです。
 つまり、毛管運動とは毛細血管とグロ−ミューの共同作業である「毛細管現象」を促すものなのです。


◇朝晩2〜3分行うだけで大きな効果がある

 毛管運動は、ごくごくわずかな時間行うだけで、十分な効果が得られます。
 朝晩、2〜3分の毛管運動を3週間から1ヵ月間つづけてみてください。必ず体調がよい方向に変化してきます。
 1日の疲れをそのままにしておくと、下肢がウッ血して腫れ、心臓機能も少しづつ低下します。
 ところが就寝前に、毛管運動を行うと、足が軽くなってむくみがとれ、その日の疲れはその日のうちに解消するようになります。気持ちよく熟睡できるため、朝もすっきり目覚めます。更につづけているうち内蔵諸器官の働きがよくなってきます。
 日ごろ、足をよく使って歩くと共に、最後の手入れとして毛管運動を活用していただきたいと思います。


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