毛管運動特集-2
雑誌『私と健康』で掲載された“毛管運動”特集をご紹介していきます。
(2000.8.15更新)
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狭心症で3回の入院をした私が“毛管運動”で、
毎日2000m泳げる程に元気になった。
和歌山市
清村棒洙
(64才)
◇医師が驚く程の血液改善、青汁の効果を確信する
私は肉も甘いものも、好きなだけ食べていました。ただ、医者からは血圧が高いから注意してくださいとはいわれていました。でも、若いときから体には自信があったので、食べたい放題にしていました。
ところが、2年前のある日、突然胸に痛みが走りました。少しでも動くと、それは苦しかったのです。慌てて病院で検査をしたら狭心症だと診断されました。血液検査をすると、悪玉コレステロール、高脂血症、動脈硬化など私の血液は最悪の状態でしたね。
結局、病院でバルーン療法をしました(バルーン療法とは、バルーン・バンピングともいい、大動脈の中に入った風船を心臓の鼓動に合わせて膨らませたり縮めたりをくり返し、心臓の働きを助けること)。その後、3ヵ月くらいはよかったんですが、また発作がおこりました。また入院して2回目のバルーン療法をしたら少し楽になりました。ところが喜んでいた矢先、3ヵ月後にまた発作が起きたのです。入院して3回目のバルーン療法も無事に終って安心したのも束の間、また4回目の発作が起きたのです。
今度はいよいよ胸を開けてバイパスの手術をすることになりました。ところが、血液の状態が悪いので、手術よりもまず食事療法などで血液を改善していく養生をしようということになったんです。
これではどうなるか分らないと思って、渡辺医院に行く決心をしました。なぜかというと、渡辺先生に長年お世話になっている弟からすすめられた青汁を2ヵ月間ほど飲みつづけて、血液検査をしたら、血液の状態がよくなっているといわれたからです。
青汁のおかげで血液がよくなったと確信しました。それで、渡辺先生を信じてみようと思い、東京の渡辺医院に入院したのです。
渡辺先生に教えていただき、毛管運動をはじめ、各種の体操や食事療法を一生懸命やりました。最初は運動で胸に痛みが出ることもありましたが、毎日つづけていると徐々に痛みが出なくなってきます。毛管運動は心臓に効果がある運動だと実感しました。
◇毎日泳げるなんて狭心症発作がうそのよう
心臓病以外の効果もありました。以前、痔の手術を2回しましたが、入院中に渡辺先生に相談すると、毛管運動などで血液をきれいにすれば痔なんかすぐに治るというのです。そのときは正直いって半信半疑でしたがね。ところが、毛管運動などを続けていたら、すっかり痔も治ってしまいました。
狭心症の発作がおこる前は、25mも泳げなかったんです。それが今ではスイミングスクールに、週4〜5回は行って2kmほど泳ぎます。狭心症の発作が起きたときには、考えられなかったことですよ。
もう発作も起きないし、血液も正常です。血圧も落ち着きました。2ヵ月に1回、地元の病院で検診をしますが、3回も入院治療をしてこんな元気な人はいないと医者も驚いています。
毛管運動もすごい効果がありましたが、青汁の効果も素晴らしいと思います。私はコマツナ、パセリ、ハクサイ、キャベツ、ニンジン、ホウレンソウ、チンゲンサイ、大根の葉、モロヘイヤなど8〜9種類を泥状の青汁にして、どんぶり1杯夕食前に飲んでいます。
生野菜をすりつぶしたり、おろして泥状にしてもいいのですが、私は繊維とジュースが分離しない鈴木式ジュースマシンを使っています。これを毎日続けると体調がいいんです。体重も十数kg減って、でていた腹も引っ込みました。今では家族全員で渡辺医院に教えていただいた健康法を実践しています。
〜渡辺正先生のひとことアドバイス〜
清村さんは肉類や甘いものを好んだため、食べ物が原因でコレステロールが増え、動脈硬化が進み、狭心症を引き起こしてしまいました。治すには食生活を変えなくてはなりません。そこで生水と生野菜で血液をきれいにし、毎日の毛管運動で全身の血液の循環を促進した結果、発作が出なくなりました。
毎日2000mを泳ぐ
清村棒洙さん
“毛管運動”をつづけている保育園児達は、バランスのとれた体ができ、遊びや歩き方などの動きが変わってくる。保母さんの腰痛も解消。
日本幼児健康体育協会代表
佐藤丑之助
◇健康づくりのための運動をめざして
私は30数年にわたり、保育園の子供達に健康体操を指導してきました。
保育園では、2才になるやならずの子供にも教えますが、どこでも必ず行うのがゴキブリ体操です。じつは、西式健康法の基本運動である毛管運動を“ゴキブリ体操”と名付けたのも、そうした小さな子供たちでした。
私と西式健康法との出会いは昭和26年です。当時、中学・高校の体育教師だった私が運動のやりすぎで体を壊したことがきっかけでした。
幸い、大事には至らず、間もなく健康を取り戻すことができ、以来ずっと「健康と運動のかかわり」について実践研究をつづけてきました。
特に、幼児に健康体操を指導するようになってからは、「健康づくりのための運動とは、記録や勝ち負けの延長線上にあるような体育運動とはまったく次元の違うもの」であることを実感するようになりました。
◇連動して動く手足をバランスよく使いたい
長年の経験から、私は健康体操の理念を次のように考えています。もちろん、これは幼児だけでなく、私たち大人にもあてはまることです。
ヒトの体は、数百年前に4足位から直立に体位を変えることによって心と体の歪みが生じました。健康を維持するためには、その歪みを調整することが必要になってきます。すなわち、体と心、手と足、左と右のバランスを維持、修復するための運動をすることによって健康が維持、増進されるのです。
健康運動とは、手と足の血液循環を整え、左右の手と足の形と強さ、動きを均等にするための動きが基本となります。
健康な歩き方をする人は、手足の左右の動作がバランスよくリズミカルに動いています。このようなバランスのとれた歩き方で、毎日、必要な一定量の歩行を実行することは、健康な心と体を獲得するための最低の条件であり、健康運動の原点です。
そして、その能力は実際に手と足を使って歩く(動く)ことによってしか維持、増進されません。
ところが、日常生活の中では、手足を左右均等に使う動作が意外にありません。スポーツなどで筋力がついていても、左右そろっていなければ、両手足のずれやゆれにつながります。その狂いをただす復元力も弱くなります。
◇肩こり、腰の不調も、つづけることで改善
毛管運動を保育園で
指導している佐藤先生
毛管運動のいちばんの効果は、全身、特に足全体の血のめぐりをよくし、手と足のバランスの調整に役立つことです。
私が小さな子供たちに、毛管運動を指導しているのも、健康な体づくりには、早い時期から左と右のバランスのとれた手足の使い方を体得してほしいためです。
実際、1年、2年とつづけていると、子供たちの動きは確実に変わってきます。年齢が上がるにつれ、だんだん膝が伸び、肘が伸びて両手足が垂直に上がるようになります。手足をブルブルと細かく振動させることもできてくるのです。
毛管運動は、道具もいらずいつでもどこでもごくわずかな時間でできます。
そのせいでしょうか。多くの園で毎日昼寝の前にパジャマ姿でやったり、遊び時間の運動に取り入れたり、運動会の種目に使ったりしています。
また最近では、家庭でも腰痛や肩こりのお母さんが子供と一緒に実行しているとよく耳にします。職業病の腰痛に悩む若い保母さんたちにも好評のようです。
私自信、子供たちに教えることを楽しみながら、自分の健康維持にも毛管運動を活用しています。