渡辺医院より毎月一回発行されている『健康新聞』から、記事の一部を紹介します。(2000.6.16更新)
『健康新聞』第378号より
子供の朝食抜きに問題はないのか?
──月刊『緑健文化』(4月号)に発表──
●読者(主婦)からの質問
「大人は1日に2食でもかまわないが、子供にとってはどうなのか。うちの場合幼児期からそうしている。朝食を抜いていると、脳の発達に悪いという説がある。
糖分が脳のエネルギーになるので、朝、血中の糖分が落ちている時に勉強しても集中できないのでは。うちの子供達は朝起きるとマラソンその他の運動をしている。低体温だとか、糖が脳に供給されないとかいうことがあるのでしょうか」
◆回答 朝食廃止の2食が良い理由
(1)朝食を止めると、午前中の尿量が増え体重も減少する。
これは体内の毒素が十分に排泄されるためで、なんら心配はいらない。
朝食を食べると、体内の毒素を排泄するために働く胸椎9番以下の神経が十分に働かず、体内に毒素、老廃物が残ることになる。それで胃腸病、神経痛、リウマチ等々病気にかかりやすくなる。
(2)幼児でも朝食廃止の2食で差し支えない。
幼児は朝10時過ぎなら食べてもよい。
(3)午前中空腹時(意識しなくなるが)運動しても何ら差し支えない。
むしろ朝食をとらない子供(大人も同じこと)の脳は明晰に働くし運動しても疲れない。勉強しても朝食をとる子供よりも集中できる。体内に貯えられている栄養(肝臓のグリコーゲンや体内の脂肪等)が使われる。朝起きてマラソンをしても差し支えない。但し、運動も程々にすべきで、あまり過激のことは避ける。
(4)食事を何回にも分けて食べるのは最も良くない。
常にだらだら胃腸に刺激を与えるので、胃腸は却って疲労する。間食を何回も食べるのは良くないのと同じ。
但し朝食はしっかり摂るというのが現代の栄養学の常識となり、世の中すべてその考えだから、朝食廃止の2食は革命的考えである。従って両親が実行してみて心から納得しない限り子供に強制することはよろしくない。
私は40年間に渡り朝食廃止の2食を、家族、患者、農村の友人達、さらにアメリカ、ブラジルの日系人、その他韓国、中国の友人達10万人以上の人々にすすめて、皆実行した上で喜んでいる。
なお参考までに、昔の人は朝食は食べていない(ヨーロッパでは中世まで、日本では元禄時代までは朝食を摂っていない)。
また、激しい稽古をする角力の力士達も朝食は摂らない。朝食を摂ると、午前中に激しい稽古をすることは不可能である。また、朝食を十分に摂ると、消化吸収のために血液が胃腸に集まるので、頭の動きも鈍ってしまう。
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